「大阪松竹座さよなら公演」
~昼の部、夜の部を見て率直な感想、、~
人間国宝と松竹座の閉館
昨年のある日、私は突然、上方歌舞伎の重鎮「人間国宝 片岡仁左衛門」さんを好きになりました。大変失礼ではありますが、ご年齢のことがありますので悠長なことは言っていられません。そこで片岡仁左衛門さん目当てで歌舞伎公演を検索したところ「大阪松竹座さよなら公演」に行き当たったのです。と、言いますか松竹座が閉館することに驚愕し呆然としてしまいました。

嗚呼、また美しい建築物が一つお役御免になるのです。任天堂旧本社や弥栄会館の様に上手いことホテル等になってくれたら良いのですが、、気が付くと「松竹座」>「片岡仁左衛門」になっていた次第です。4月と5月に歌舞伎のさよなら公演があり、本当なら5月に行きたいのですが海外旅行へ行く関係で4月某日、仁左衛門さんが出演される夜の部と、折角なので昼の部も購入することにしました。チケット販売開始定刻にネットへアクセスしたのですが、まったく繋がらず、所用があり1時間半後に改めてアクセスし、チケットを購入しました。すでの良い席は完売で、一等席でここ?!っていうような微妙な席しか残っておりませんでした。一等席は26,000円、二等席は13,000円、三等席は7,000円、かなりの幅があります。内心この席に26,000円払うのか、、と思いながらも夜の部は二階席前列に近い中央の一等席、昼の部は2階席の最前列左寄りの二等席にしました。
羽田から大阪へ
当日、朝11時開演ですから遅くとも10時には現地に行きたい、余裕を持って9時には難波に着きたい、ということで、飛行機は朝6時半発のJAL伊丹空港行きをおさえました。
【当日の動き】
・自宅からUber利用→6時前に羽田空港第1ビル着 電車では間に合わない危険があり、Uberを使用し散財、一便遅らせれば良かったと猛省。
・6時半羽田空港発→7時半伊丹空港着
Jクラスで悠々と過ごす、面白いときいた「SHOGUN」第1話を観だすも、途中で図らずもセクシーシーンが始まってしまい、公共の場で鑑賞する精神力は持ち合わせずフライトマップに切り替える。
・7時40分伊丹空港でイートインの誘惑に負ける
「りくろーおじさんのチーズケーキ」 「たこぼん」十三駅にある老舗「喜八洲総本舗のみたらし団子」おたべの生八つ橋が運営する「釣狐のおいなり」などイートインが充実しており、りくろーおじさんのチーズケーキ(温めてもらえます)を堪能。
・8時20分空港バス乗車→8時50分JR難波駅着
バス30分程度で730円vs電車(大阪モノレールで千里中央、御堂筋線でなんば)1時間程度で680円にてバスを選択。
バス内で立てた本日の想像的タイムスケジュール
・9時松竹座の写真をいろんな方向から撮る、感慨にふける、涙ぐむ、道頓堀を探索
・9時50分、はり重前に待機、10時の瞬間に来店し事前予約した「ビフカツサンド」の支払い。
・10時30分開場とともに松竹座へ突撃、まずお手洗い、売店で散財
・10時50分着席
・11時「毛谷村」観劇
・12時20分はり重でビフカツサンドをピックアップ、お手洗い
・12時35分「夕霧名残の正月」観劇
・13時5分の幕間でビフカツサンドをいただく、お手洗い、歯磨き
・13時35分「大當り伏見の富くじ」観劇
・15時半余韻に浸りながら競歩でホテルへ向かいチェックイン、不要な荷物を置き松竹座へ戻る
・16時15分「寺子屋」観劇
・30分の幕間で建物探訪
・18時25分「五條橋」観劇
・20分の幕間でおやつを食べる
・19時「心中天網島」観劇
・20時半余韻に浸りながら「うどん今井」できつねうどんを食べる
・21時半ホテル着
上記、分刻みの完璧な計画です。若干、車酔いしましたが私は大いに満足しました。そした興が乗った脳裏にふっと西村京太郎サスペンスの一幕が浮かびました。
「これなら行ける。やりましたね、十津川警部!」
「ああ、亀さん!」
そうです、アリバイ崩しをしている十津川警部と亀井刑事の掛け合いです。
結局ちょこちょこ予定が変わりました。9時前に松竹座へ着いたのは良いのですが、写真なぞ5分もあれば十分なのです。そして道頓堀はいつも通り何だか汚いし、向かいの浪速消防署の隊員がたむろしてるし、松竹座をいくら眺めても感極まらないのです。考えてみれば当然です、私は今日初めて松竹座で観劇するので何の思い入れもないのです。
一先ず東横INN大阪なんばへ
そこで徒歩5分、本日宿泊するの東横INN大阪なんばへ行ってみることにしました。するとありがたいことに地下に無料ロッカーがあるというのです。私は不要な洗面道具と衣類を預け、身軽になることに成功しました。このホテルはリーズナブルなご旅行をお考えの方に非常にお勧めです。私は利用しておりませんがロビーにあるコーヒーマシーン、朝食バイキングが無料です。そして更なるセールスポイントとして、私の部屋にはハリウッド映画でお馴染みオーバーヘッドシャワーがありました。まさかのビジネスホテルIN難波でオーバーヘッドシャワー。尚、こちらに関しても私は利用しておりません。

松竹座へ
9時50分意気揚々と松竹座へ戻ったのですが、はて全くお客さんがおりません。歌舞伎座ですと10時前には人でごった返すのですが、松竹座はお土産屋さんがないせいか閑散としています。斜め向かいのカニ道楽で自撮り目当てのカニ待ち観光客の方がはるかに多いのです。ひとまず10時、はり重開店とともに入店しビフカツサンド3,240円のお支払いをしました。尚、はり重はお店の外に机を出して、幕間弁当の当日予約もしています。お支払いは現金のみです。私のように事前電話予約ですとカード払いも可能です。ただし観劇が始まる前にお支払いをする必要があります。その他に劇場前の路上で松竹座地下1階にあるレストランの「矢場とん」「たちばな」の幕間弁当も販売されています。そしてイヤホンガイドの貸し出しも外です。イヤホンガイドは歌舞伎座同様1,000円でお支払いは現金か交通系タッチ決済でした。

10時半開場となり、まず2階のお手洗いへ行きました。エントランス階の1階、座席がある3‐5階のお手洗いは小さいです。売店のある2階は広く、コインロッカーもあります。とにかく松竹座はトイレが大行列になるので、お急ぎの場合は幕間になった瞬間に走らなければなりません。そしてお席ですが、歌舞伎座同様小さめで、長時間座っていると座骨神経がしびれてきます。膝の裏が痛くなって血栓できたかも、、と不安になります。幕間の度に席を立って飲水、歩行、屈伸運動をする必要があります。そんな事をしていたらお買い物ができないのでは?と思いますが大丈夫です。売店の品揃えが絶望的に少なく、散財不可能なのです。私は職場のお土産と幕間に食べるお菓子を少ないラインナップから無理やり購入しました。購入したものと言えば筋書(2,000円也)はお勧めです。演目の筋書が詳しく記載されているのは当然のこと、片岡仁左衛門さん他、役者さんのインタビューが多く収められていて面白かったです。

大阪松竹座さよなら公演
さて各々演目ですが、、うーんうーん昼の部は観なくても良かった、というのが率直な感想です。「毛谷村」「夕霧名残の正月」はまずまずでしたが最後の「大當り伏見の富くじ」が辛かったです。歌舞伎の格好をした現代劇でした。最近はスーパー歌舞伎など分かり易いアレンジも人気のようですが、私にはきつかったです。おじさんの学芸会、余興、クオリティーの低い寸劇という印象でした。とにかく音響も悪いので効果音の音割れやエレキギターの響きが耳障りでなりませんでした。また高齢の歌舞伎役者さんがテンションンに馴染んでおらず違和感が抜群なのです。私が歌舞伎に期待することは日本古来の最高芸能に触れることです。ですので三幕目はひたすら苦痛の時間でした。最後はマツケンサンバ風な幕引きで、唖然でした。果たして、さよなら公演ですべき演目なのか、さよなら公演だからこそこれだったのか、新参者の私にはわからずじまいでした。
しかし夜の部「寺子屋」は素晴らしかったです。仁左衛門さんの美しい姿、重く響く声、立ち振る舞い、空気の張りつめ、これよこれっといった時間でした。「五條橋」も中村獅童さん演じる弁慶と息子の陽喜くん演じる牛若丸が微笑ましく、決して上手とは言えない立ち振る舞いでしたが、お客さんがこれからの成長を楽しみに応援するような雰囲気が良かったです。最後の「心中天網島」は悪くはなかったのですが、終盤同じような掛け合いがずっと続き、飽きました。かなり入眠されている方がおり、あと30分短縮しても良いような気がしました。
今回は最初で最後になるであろう松竹座で昼の部、夜の部を観劇しました。松竹座が思っていたよりこじんまりとしていることに驚きました。そして何といっても片岡仁左衛門さんの存在感が素晴らしかったです。今度は南座で仁左衛門さんを観劇できたらと思います。
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