都内のハンガリー料理屋、
その名をキッチンカントリー
~自由が丘デパートで旅行気分です編~
自由が丘デパートの3階にあるキッチンカントリー
東京目黒区は自由が丘、素敵なカフェや雑貨店が並ぶ言わずと知れたオシャレシティー、しかし駅に着くと「自由が丘デパート」という昭和世界の重圧を無視することは不可能でしょう。このデパートは1953年(昭和28年)に開業した、ほぼ駅直結型の商業施設です。例えるなら新橋の「ニュー新橋ビル」的な感じで、なんとも言えないレトロな渋い建造物は決して我々が連想する「デパート」ではありません。そう闇市の残党なのです。闇市をデパートと訳すなんて、さすがオシャレの塊、自由が丘です。

さてその3階にどこか懐かしくて温かい雰囲気を放つのがハンガリー料理のお店「キッチンカントリー」です。ちなみに自由が丘デパートで以前にペルシャ料理「サラバン」とベトナム料理「クァンアンタム」にも伺ったのですが、サラバンは日本人が完全アウェーな気持ちになれる異国感が味わえ、クァンアンタムもフォーがひたすら美味しいし犬もいるしというアジア感が味わえました。
ではキッチンカントリーでは何感を味わえるのでしょうか。
外観は東欧民族押し満載、入ってみると“街の洋食屋さん”のようなほんわかした雰囲気

1959年創業のキッチンカントリーはもともと洋食店でしたが、ハンガリー家庭料理へと進化した歴史を持ちます。
何故にハンガリー料理なのか謎ですが、お料理は現地の人や大使館関係者から教わったレシピをベースにしているらしいです。つまり今どきの「映え系レストラン」とは違いますが「昭和系レストラン」としての映えは約束します。まず店外から木枠に囲われた飾り棚を見るだけでワクワクします。置かれているオブジェから滲み出る東欧特有の物悲しさ、食欲をそそるテカテカした食品サンプル、看板も非常に可愛いくて、私のツボにばっちりミートしてきます。そしてレース(東欧と言えばレース)のかかった扉を開けると、中はこじんまり、木のぬくもりを感じるインテリアと常連らしきお客さんたちの穏やかな空気が心地いいお店です。夕方は18時開店ですが、平日でありながら19時頃までにはお席の半分は埋まりました。中には20代の方もおられましたが60代以上の方が多く見受けられました。お店は高齢のご夫婦で切り盛りされおり、ご主人がシェフ、ホールが奥様です。品の良いお客様がワインを嗜みながら急がず焦らず和やかに過ごされる雰囲気が印象的でした。
ハンガリー料理 名物はロールキャベツ
メニューはアラカルトもありますが、私はハンガリー料理を気軽に楽しめるコースをお願いしました。コースは以下の通りです。
*本日のスープ
トマトベースでロールキャベツのスープと似ている
*サラダ
フリルレタス、きゅうり、トマトのシンプルなサラダ
*パンかライス
パンはバーター付き
*メイン選択
①牛肉のシチュー ②ロールキャベツ ③チキンの煮込み ④エビのカニクリーム詰め
*コーヒー
砂糖の入れ物がレトロでかわいい

ロールキャベツ
キッチンカントリーではロールキャベツが名物のようです。10年以上前に新宿のカトレアで食べたが最後、ひき肉が苦手な私は普段ロールキャベツを食べないのですが、久々にロールキャベツをお願いしました。運ばれてきたロールキャベツはトマトベースのスープの中にぽってり丸みのあるロールキャベツが2つ、その上にクリームがかかっており、更にパセリが振られていました。とにかく見た目が素敵です。そしてトマト、キャベツ、お肉の香りがほわっと香って「うわー!」ってなります。キャベツもミートボールも柔らかくてナイフで簡単に切れます。トマトの酸味が効いたスープが染み込んだヒタヒタのキャベツにお米が入ったミートボールは優しい味で、とっても美味しかったです。
ちなみに①は俗にいうグラーシュです。東欧に行かれた方は一度は食べたかと思います。私は若いころから社会主義国であった東欧諸国が持つ独特の硬さ、物悲しさ、そして豊かな文化と力強い精神に魅力を感じており、ポーランド、チェコ、ハンガリー等へ旅行をしてきました。そこではまったお料理がグラーシュとクネドリーキ(茹でパン)です。初めはそこまでグラーシュを好きではなかったのですが、徐々にパプリカ風味のスープが癖になって好きになりました。ですので次回はグラーシュを食べたいと思います。主人のお料理ですが、主人が「貴方が好きなものでいいよ。」っと言ったので「スープが少なそうな④エビのカニクリーム詰めがいいかな」と言ったら「え?エビにカニを詰める?エビなのに?エビのプライドが、、」と突然エビの自尊心を尊重しだして面倒だったので③チキン煮込みにしました。

チキンの煮込み
チキン煮込みはまろやかなパプリカ風味のソースで美味しかったのですが、良くも悪くもパンチのない味でした。少しチキンがパサパサしていたのが残念でした。
次回来たときはまたコースでグラーシュや「エビのカニ」もいいし、夏場はサクランボのスープというお肉料理と相性のいいスープがメニューに乗るらしいので、こちらも是非食べてみたいです。
キッチンカントリーに関して結論
ハンガリーレストラン キッチンカントリーさんのお料理は唯一無二の洋食屋さんと言えるでしょう。お店の雰囲気を含め、パプリカやトマトをふんだんに使ったお料理は東欧へTripした気分になれます。結局のところ「ハンガリー感が味わえるレストラン」そのままでした。ただその大きな効果として、バックミュージックにハンガリー舞曲第5番がかなりの配分で流されていることも一因かもしれません。いずれにせよ必ず夏に行こうと思います。
お店情報
キッチンカントリー
東京都目黒区自由が丘1-28-8 自由が丘デパート 3F
東急東横線 大井町線 自由が丘駅から29m
キッチン カントリー (ヨーロッパ料理 / 自由が丘駅、奥沢駅、九品仏駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0