なぜか無性にインドカレーを食べたくなる事があります。はて、これはどういう事態なのか?
主人に打ち明けたところ、主人も同様の現象が起こることが判明しました。我々は決して辛い食物が好きなわけではなく、インド文化にかぶれているわけでもなく、私に至っては必発で胃もたれ、食道炎を起こし、食べた翌日はヨーグルトかプリンしか摂取できなくなるという負の側面が強いお料理です。尚も主人とこのインドカレー現象を話し合ったところ、我々は「インドカレー」が食べたいのではなく「ナン」が食べたいのではないかという結論に至りました。
温かいナン、バター香るナン、ほんのり甘いナン、そうです、確かに私はナンが好きです。そして主人も結婚前、代官山のインドカレー屋で毎回ナンのお代わりを頼んでいました。配分ミスではなく普通にナンが好きだったのです。なるほどインドカレー現象の本質には「ナン食べたい欲求」が隠れていたというわけです。
そんなわけでナンが食べたくなった私は主人を誘ってインドカレー屋さんに行くことにしました。
自由が丘のタージマハールへ!
向かうは自由が丘「タージマハール」です。このインドカレー屋さんはインド三ツ星レストランで働いていたシェフが腕を揮っているとのことで、正真正銘のインドカレーが食べられます。最近は一つの町に一つ、インドカレー屋さんがある気がします。しかし彼らはネパール人であることが多く「ネパールカレーよりインドカレーの方がカレー感強いでしょ。」っていう理由でインドの看板を掲げているようです。愛国心とかプライドとか、その辺はあまり気にしないんだな、、。ともあれ私たちが向かったのは、町インドカレーではなくインド人のインドカレー屋さんです。
自由が丘駅から徒歩4分、ガラス扉を開け、階段を上がるとお店があります。天井が高く、席もゆったりと配置されているので優雅な感じがします。すぐさま日本語堪能なインド人スタッフの方が慣れた感じで席に案内して下さり、お手拭きをトングで渡してくれます。これは熱々に違いない、と熱さに驚かないよう心して受けとったら冷たくて驚きました。しっかりとしたタオル素材のためナンで油ぎってしまったお手手も問題なく清拭可能です。
タージマハールのメニュー
メニューはアラカルトも沢山ありますが、分かり易くセットを頼むことにしました。主人はシャージャハーンセット(選べるカレーとミックスグリル、サラダ、食後のチャイ)私はヘルシ―セット(サラダ、3種類の野菜カレー、ナンかライス、食後のチャイ)にしました。お飲み物はラッシーを頼みました。18時過ぎに来店したこともあり、お客さんは私たち以外に、ザ・インド的な絵柄のロングスカートを着用した日本人女性のみでした。インドにはまって1人旅行に行く女性がおりますが、正にそんな感じの方でした。
早々にラッシーとお通し的なパパド+ミント風味のソースがきました。パパドの塩加減とソースのピリ辛爽やかソースが後を引きます。店内では最新ボリウッドの映画を上映しているので、待っている間は軽快なミュージックにのりながら、9割踊っているストーリー性のない映画を堪能できます。
オーダーから10分程度でカレーが到着しました。
ヘルシーセットとシャージャハーンセット
ヘルシーセットはワンプレートに苦手なきゅうりを抜いてもらったサラダ(キャベツ、アボカド、トマト、ひよこ豆、パクチー、レタス、そして何故かイタリアンドレッシングがかけられている)カレー3種類(オクラ、玉ねぎ、人参が入った汁気の少ないカレーとチーズの入ったサグカレー、野菜ペーストのカレー)そして勿論ナンをチョイスしたので、大きくふっくら香ばしいナンが載せられて、目の前にドーンと置かれました。堂々たるナンのはみ出具合い、こん棒のようなナンが視界を占拠しています。これには気持ちが高揚しました。
ヘルシ―セットを頼んだからには血糖値を緩やかに上げるべく、本来はサラダから食べるべきでしょう。しかし、いち早く焼きたてのナンにかじりつきたい私は、まずナンからいただきました。アンヘルシーで結構です。モチっとした巨大なナンをちぎると、バターと小麦の香りが広がります。柔らかいうちに先にナンだけ食べちゃいたいと思うほど、甘味のある美味しいナンでした。サラダはパクチーが入っていてアジアっぽいのですが、いかんせんイタリアンドレッシングがかけられているため口の中で何だかよくわからない感じになりました。カレーはどれも非常に美味しかったです。辛さ控えめなので食べやすく、しっかりと食材の旨味を感じられます。ネパール人の町インドカレーとは異なり、手間をかけたカレーであることがわかりました。
主人はチキンカレーをチョイスしたのですが、たっぷりチキンが入っていて、こちらも辛さ控えめながら深みのある美味しいカレーでした。
タンドリーはシシケバブ、魚、チキン、海老と盛りだくさんで、かなりボリュームがありました。もし残した場合は、お持ち帰り可能とのことなので頼みすぎても安心です。
タージマハールはナンもカレーも美味しく、食べ応えがありながらリーズナブルでした。食べログの平日限定15%オフクーポンを使用し、二人で5000円ちょいでした。
私たちが食べ終わるころには、女性お一人客が2名、3名のグループも来店されていました。女性一人客率の高さが示すところは、インド好き女性も認める本格インドカレーなのかもしれません。
日本で本格的なインドカレーをいただけるなんて、本当にありがたいことです。胃もたれと食道ひりひりに勝る素晴らしいお料理でした。インドカレー現象が表れた際は、必ずやタージマハルに再訪したいです。その時は、どんな因果で三ツ星レストランシェフが日本で働くことになったのか伺いたいと思いました。
お店情報 タージマハール (TajiMahal)
(インド料理 インドカレー)
東京都目黒区自由が丘2-15-7 2F
東急東横線/大井町線 自由が丘駅より徒歩3分