ドジャースタジアムへ
大谷翔平選手を見に行こう!
アメリカン航空を初めて利用したのは小学5年生頃だったと思います。親が仕事で数日アメリカへ行くことになり、ついていきました。そこで私は新たな価値観を広げます。
アメリカン航空での思い出。
キャビンアテンダント、当時でいうスチュワーデスが限りなくお婆さんに近い年齢で、ガタイが良くて、歩くたびに通路側の乗客にぶち当たり、英語がわからない少女の私でも理解できるほど横柄なのでした。おや、スッチーって、もっと華やかで優しくて「お嬢ちゃま、オレンジジュースはいかがですか?」とか言ってくるもんじゃない?と混乱しました。しかし、しばらく観察して気が付いたのですが、こんな狭っ苦しくて、空気悪くて、ご飯まずくて、女子トイレがない職場でニコニコブリブリ働けるわけないのです。そもそも頭上に荷物をあげたり、揺れる機内で機内食を配りコーヒー注いだり、緊急時は乗客誘導したり、完全に力仕事なのに、何でタイトスカートにパンプス履いているんだ?と思いました。こっちは命を預けているのだからジャージを着てほしいです。体育の先生みたいにポロシャツに首から笛を下げても過剰ではないでしょう。なるほど、日本でスッチーといえば花形の職業だけれど、アメリカでは成りて不足に違いない。私は見誤っていたのです。今まで見てきたJALのスチュワーデスがフェイクでストレスコントロール不良のこのアメリカン航空のスチュワーデスが真の姿なのです。ちなみにシアトルからシカゴへ移動した際のユナイテッド航空のスチュワーデスも同じ傾向でした。
そして今回もご多分に漏れず、労働者感溢れるキャビンアテンダントたちよ。良いのです、良いのです、このくらいガッチリ、バッサリしていた方が良いのです。カスハラなんて言葉をよく聞くご時世、このくらいパンチがないと渡り合えません。何度毛布を頼んでも持ってきてもらえなくて良いのです、毛布なんて自分で取りに行けば良いのです。そんなこんなで10時間ほどでLAXに到着。現地時間は14時、寒さであまり眠れず、これからの1日大丈夫かしらと少し不安になりますが19時10分からのドジャース大谷選手の試合に遅れる訳にはいきません。すでに大谷選手は1番スターティングメンバーとして発表されています。着陸後、私たちはそそくさと入国審査へ向かいました。ところが、入国待ちの大行列が待ち構えていました。昨年も7月のハイシーズンに来ましたが保安検査には小一時間もかからなった様に思います。今回はたまたま着陸が重なって、運が悪かったのでしょうか。結局、行列の一部として2時間半余りを費やしてしまいました。ドジャースタジアムがオープンするのは試合開始2時間前、そのため17時にはドジャースタジアムへ行く予定でした。
ロサンゼルス空港に到着。そして入国審査。
17時に間に合わない、、絶対に入国審査に引っかかりたくない、、。待っている間、徐々に焦りが募ります。やっと次というところで、目の前にいた白人のバックパッカーカップルが保安検査官に促され、扉の奥へと消えていきました。
なぜ?普通の感じだっけど、もしやESTA切れ?
私が眉間にシワを寄せまくっていると、いかにも仕事ができそうなメグ・ライアン風保安官のブースが空きました。
「ネゥエークスト」とメグ。
私は引き攣る笑顔でパスポートをおずおずと差し出しました。
「クゥアーメラ」とメグ。
私はレンズに向かって笑顔を作りました。
これがマグショットになるかもしれない、、少なからず印象良く写ろう。
私は前歯8本をむき出しにしてカメラにおさまりました。結局メグは形式的な質問をしたのち、私たちを解放してくれました。拍子抜けです。
あとはウィニングランです。もうゴールは目の前、数メートル先には入国者を歓迎するLA市民が見えます。さあ、行こう、自由の国アメリカへ、あの聴衆に向かって、さあ!
「うへっ!大変だ!出口に保安官いるよ!」私は声を殺して主人に報告しました。
何と、口髭をたくわえた男性保安官が入国者達を鋭い眼光で見つめているのです。
「どうしよう、、別室に誘導されたら、、あの人すごく怖い顔してない?」
「大丈夫、思い出して、前にも教えたでしょ?」
長く海外で働いていた主人のアドバイスによると、税関ではまっすぐ前を見て、期待に満ち溢れた笑顔で、全身から観光を楽しんでやるというオーラを放ち、決して立ち止まらない事が鉄則とのことでした。まさかこいつが法を犯すことはないだろう、という安心感を与える事が重要らしいのです。日本男児が西洋諸国へ就労ビサで入国する。きっと主人は嫌な思いをしたことがあったのでしょう。以前、自身の経験と同僚たちの体験談から行きついた処世術を主人から聞かされていました。今回もしっかりとこれを守り、私たちは無事、LAの地を踏んだのです!
「Hello LA!I miss you sooo much!」
ロサンゼルス空港からホテルへ。
挨拶もそこそこにTaxi乗り場があるLAX it行きのシャトルバスを探します。ピンク色「LAX Shuttles」と書かれた柱の近くにいるとLAX it行きのシャトルが来るのです。15分程待って満員のシャトルへ乗り込み、また15分程揺られたでしょうか、LAX itに到着しました。すぐさまTaxiに乗り込みホテルへと向かってもらいました。一安心、これで順当にいけば18時前にはホテルに着けそうです。渋滞もそこまではひどくはありませんでした。外の景色を見ながら、アメリカを感じます。広い、大きい、でかい。ホテルへの道は決して統制された街並みではなく、徒歩では移動したくない雰囲気が続きます。圧倒的な資本主義、圧倒的な車社会、車を失ったらLAでは致命的な気がします。例え英語が話せても、ここで生きることは東京で生きることより過酷に思えるのは私だけでしょうか。
17時40分、無事ホテルに到着。Taxi代金85.96ドル、冷静に考えると高いですが、私は気前よく支払ったのでした。
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