”牛肉どまん中”という駅弁
”牛肉どまん中”という駅弁をご存じでしょうか。
山形県の米沢名物となるべく、1992年山形新幹線開業を機に開発された駅弁です。
ちなみに製造販売をする新杵屋は1921年(大正10年)創業の老舗です。
このお弁当は駅弁界に彗星の如く現れたスタミナ抜群のパワーヒッターといえるでしょう。その外観は一見すると地味であり「何かこの選手、華がないよね」といった感じで、女子にキャーキャー言われるタイプではありません。北海道いかめしみたいに「かわいいー」とか、チキン弁当みたいに「愛嬌があって好きー」とか絶対言われないし、宮城県牛タン弁当みたいに「チョー熱ーい!」みたいなこともありません。
この駅弁は門外不出の濃い甘辛ダレを牛の薄切り肉と牛そぼろにしっかり絡ませたものを、冷めても美味しい米沢地元米”どまん中”の上にぎっちりと敷き詰めてあります。その牛肉のどまん中には、何と、万人が残すであろうパセリが添えられているのです。更には別枠でニシンの昆布巻き、人参煮、芋煮、かまぼこ、玉子焼き、桜漬けと箸休めもスタンバイしてあります。ちなみにパセリは甘辛ダレを吸って、若干ぐったりしているのですが、非常にメッセージ性が高い食材である事に私は気付いています。パセリは、この駅弁に唯一許された摂取可能な緑色食物(他に緑色は玉子焼きとかまぼこの間にあるバランのみ)であり、その貢献は彩に止まらず、野菜トップクラスのビタミン、ミネラルの含有量、更には口臭予防を考慮した、新杵屋さん計算尽くのチョイスといえます。そう、例え万人が残そうとも。
お味に関しては食べ応えは請け合い、日本人が大好きな味付けに、もう箸が止まらないのです。
そんな牛肉どまん中、ひとたび登録されると、グングンと打順を上げ、気がつけば牛肉弁当といえば米沢出身の「どまん中」、押しも押されもせぬ不動の4番になったのです。初めはおっさんや少年に人気のどまん中でしたが、今や女性ファンの多いこと。私も東京駅祭で散々散々徘徊し、一度お飲み物を選んでリセットし、最終的にどまん中を手に取る昨今です。深層心理でわかっているんです、結局どまん中を買うって、、。
それにしても”牛肉どまん中”心を打つネーミングです。センター方向に弧を描く本塁打、そんな一発を想像させます。
さて、ここからがある種の本題です。
先日、仕事で仙台へ参りました。東北新幹線14時31分仙台発のはやぶさを予約し、ずんだシェイクを飲みながら「さてお土産はどうしようかなー」っと売店をうろついておりました。すると、、牛肉どまん中が陳列されているではありませんか!!そして更なる衝撃。”牛肉どまん中 みそ”を見つけてしまったのです!一体これはどうゆう事でしょうか。”みそ?!”
「そんなの聞いていない。いつからあるのですか?ちゃんとインフォメーションされましたか?東京駅祭にありましたか?」
質問が次々とわきでてきます。とにかく本日のお夕飯にみそを2個購入しました。
新幹線のFree WiFiを利用して調べたところ、塩だれ「牛肉どまん中 しお」、カレー風味「牛肉どまん中 カレー」もあるとのことです。塩は物足りないしカレーはあまり好きではないので”みそ”正解!満足して眠りにつきました。
帰宅後、この興奮を主人に伝えました。
「大変なの、もうびっくりたんだけどさ、牛肉どまん中のみそ味が売ってたの、みそ味あるの知ってた?」と私。
「知らない。牛肉どまん中、事体を。」と主人。
バカか?
「すっごい美味しい駅弁なんだよ、心も体も満足するボリューム満点のお弁当なんだよ」と私。
「へー、すごいね」と主人。
「そうなの、でね、甘辛醤油味しかないと思っていたら、みそ味が売ってたの、他にも塩、カレーもあるみたいなんだよ。だから買ってきた。」と私。
「へー、すごいね」と主人。
さて実食です。温めても美味しいと記載がありましので、夏場であることから熱消毒をかねて温めました。
牛肉どまん中みそのお味は?
蓋を開けると、お肉と甘じょっぱい香りがほわーっと広がります。お肉がキラキラ光って、お米もふんわり、香ばしい白ゴマも食欲をそそります。一口いただて率直な感想「すごい美味しい。」みそって万能ですよね、私お味噌大好きなんです。濃い目の味付けにみそ特有の深みが加わり、醤油味より飽きがこない印象です。期待を裏切らない素晴らしい駅弁でした。満足満足。
名残惜しくも、お肉の旨味に浸りたかったのでパセリは残しました。
牛肉どまん中 どこで買える?
米沢駅前 本社工場直売所
JR山形新幹線 米沢駅ホーム売店、おみやげ処よねざわ
JR山形新幹線 赤湯駅 NEWDAYS赤湯
牛たん屋 福島店 福島駅構内
東京駅 駅弁屋踊グランスタ店
百貨店の催事など
駅弁屋 祭 仙台駅店 (弁当 / 仙台駅、あおば通駅、宮城野通駅)
テイクアウト総合点★★★★☆ 4.0